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最高の離婚

 フジテレビで放映されていたドラマ「最高の離婚」30代前半の子供のいない夫婦の結婚観を取り上げており、離婚という重い内容のテーマでありながら、コメディ調に仕上げられていたため、ついつい見入ってしまいました。主役の瑛太さんの迫真の演技を私も毎回楽しみにしながら見ていた一人なのですが、作成の経緯はともかく離婚届が提出されてしまうと紙一枚で離婚が成立してしまいます。

では一般の方は離婚問題について弁護士にどういう悩みを持って相談に来るかといえば、色々な事実の積み重ねの中で、離婚すべきかどうか、離婚することでどのような利害得失がうまれるのか、離婚に伴う付随条件についてどう取りまとめたらいいかといった内容を含めて相談に来るのであり、離婚届を出した後で弁護士に相談に来るケースは例外的です。例外的に離婚届提出後に相談に来たケースとしては、離婚届の効力を争って裁判を起こすために相談に来たケ-スであるとか、離婚の合意だけを当事者で行い、養育費・慰謝料などの付随条件について相談に来るといったケースが考えられます。

 離婚を決意する理由は様々だと思いますが、一般的にみるとDVや不貞行為(浮気)など明確な理由がある場合というのは意外と少ないんですね。民法で定められている離婚原因(民法770条1項)としては5つあります。第1に配偶者に不貞な行為があったとき(単なる浮気より進んで継続的な肉体関係があったことが求められます)。第2に配偶者から悪意で遺棄されたとき(夫婦としての同居義務協力義務扶助義務を果たさない場合をいいます)。第3に配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(行方不明で音信がない状況が3年以上経過している場合です)。第4に配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき(ただし最高裁の判例もあり、この離婚原因については当該配偶者の離婚後の面倒を含めた見通しが決まっているなど離婚後のアフターケアが万全でないかぎり、裁判所はなかなか離婚を認めてくれません。私の過去の受任事件ではこの離婚原因で2件認めてもらったことがあります)。そして第5に、その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるときです。離婚原因で真っ先に上がるのが「性格の不一致」でして、離婚原因の数としては圧倒的だと思うのですが、これはこの「婚姻を継続しがたい重大な事由」の典型例になります。

 もともと育ってきた環境も性格も違う人間同士が一緒になるわけですから、いさかいが起こる可能性は十分にあるわけで、喧嘩が徐々に蓄積され、性格の不一致という状況になり、離婚すべきかどうか悩むということはどの家庭でもありうることです。

 離婚相談に来られた場合、浮気やDVなど離婚原因が明確な場合には別ですが、ひとまず翻意復縁の可能性がないかどうかを私は十分探っていきます。結婚に至るまでにはやはりそれなりの理由があるわけですから、お互いを結びつけるきっかけを粘り強く聞いていきます。子供のいる夫婦の場合には、子供を起点にして翻意の可能性があるかどうかを探っていきます。もう一つ重要なのが両家の関係ですね。夫婦のそれぞれあるいは一方が相手の親族と良好な関係を保てている場合には翻意して元のさやに納まる可能性は十分あるのです。

「結婚は全く他人の家同士が縁を持つものである」というセリフがドラマの確か最終回で出てきたと思いますが、全くその通りで、結婚後の「家」の占める役割は現在でも大きいと思います。夫婦間で争いが起きてもお互いの両親が子供たち夫婦に対して解決に向けての何らかのきっかけを与えてその結果収束に向かうケースが多いと思うのですが、中には夫婦を飛び越えてお互いの家同士のけんかに発展してしまうケースもあります。こうなってしまうとなかなか元のさやに納まるというのは難しくなりますね。その場合には私としては修復困難とみて裁判所を使った解決方法を提案します。

 ただし、いきなり裁判に持っていくわけではありません。日本では調停前置主義がとられていて原則として家庭裁判所による調停をまず行い、調停がうまくいかなかった場合に初めて離婚裁判を行うという方式がとられています。例外として調停を開いてもうまくいかないことが初めから明白な場合(先に述べた離婚原因のなかの生死不明3年以上あるいは強度の精神病のケースです)にはいきなり離婚裁判が認められるケースもあります。

次に、離婚については慰謝料であったり養育費であったり金銭的要求が絡むケースがあります。

こういった内容のうち養育費については家庭裁判所では多くの解決例が山積しているので一定の解決基準を用意していて夫婦の年収・子供の数・子供の年齢に応じていくつかの算定表が用意されています。この算定表は調停でも裁判でも解決のための貴重な資料となり弁護士も頻繁に利用しております(専門誌ですが判例タイムズという法律雑誌の1111号に上で述べた算定表が具体的に示されています)。慰謝料についてはこのような算定表はなく個別具体的に検討することになりますが、(奥さんがもらうことを前提として)夫の収入の1年分といった言われ方をよくします。より厳密に考えるならば、お互いの収入、婚姻期間と同居期間、同居中配偶者が他の配偶者の収入に寄与した程度、離婚原因の軽重などといった諸条件を加味して具体的に考えていくことになります。

 調停あるいは裁判まで行くとなるとお互い対決モードになっていますからなかなか相手の気持ちを思いやるというところに意識が行きません。しかし、一歩譲ってお互いを思いやる気持ちが持てれば、最良の選択肢を考え出すことができるかもしれません。最後にドラマの話に戻りますが、離婚届を出した後も一緒に生活をしたり様々な人たちと接する中で少しずつ相手を思いやる気持ちが生まれていき、結婚していた時よりもお互いを許しあえる環境になっていった。だから「最高の離婚 」というドラマのネーミングが付いたと私は理解しましたがいかがでしょうか。

                                       弁護士 石鍋 毅 Takeshi ishibabe

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