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弁護人の接見の重要性と不起訴処分

誰しも警察に逮捕されるという事態に巻き込まれたくないものです

昨年は刑事事件を数件受任いたしました。

 社会が複雑になり、トラブルに巻き込まれることが多くなりなりました。一旦警察に逮捕され被疑者になってしまうと、警察での取調べが最低10日間、延長されれば20日間行われ、その間身柄が拘束されます。その時自分自身で冷静に判断することができれば良いのですが、身柄拘束という突然の出来事、施設の中で接見と面会以外、外部と一切連絡を取ることができない閉鎖された環境、その中に継続的に身を置くという今までにない経験等々、それが時間の経過とともに不安を増長させていくことになります。これは実際にそのような経験をされた方であれば誰しも感じるところです。

 受任弁護士の接見は被疑者の権利として親族よりも優先されることになりますが、逮捕後一番頼りになる存在にならなくてはいけません。 

私が刑事被疑事件の弁護人となった場合、身柄拘束を受けた依頼者にどのようなアドバイスをして、身柄拘束を解くことができるのか、閉鎖された環境の下でどうすれば不安を取り除くことができるのかをいつも心がけています。 

例えば、昨年の刑事国選被疑者の中に、「本当は自分はやっていないが、警察官が認めれば出してやると言ったので、こっぱ役人このやろうと思ったが認めようと思う」(あくまでも本人の発言です。私の発言ではありません)と接見の際私に相談した方いました。高齢で足を悪くしているようでした。私はその方に、「やってもいないことを1度認めると、その認めた内容が供述調書として証拠に残され、後日、実はやっていませんでしたと内容を覆すことは、とても難しくなる」と説明をすると、その方は納得したのか後日接見に行くと、やっぱり認めないと強い意思を私に示しその後も先生先生と慕ってくれました。この方は20日間の身柄拘束は続きましたが、最終的に嫌疑不十分のため不起訴処分となりました。この方は自宅に帰るバス代がないのでお金を貸してほしいと私に頼み込みました。この方は足が悪いこともあり、私はバス代210円を差し上げることにしました。 

 刑事事件を不起訴処分に持っていけたのは、私の力ですと言いたいところですが、そうではありません。逮捕された方の釈放に向けての強い意思、犯した事件の軽重、真摯な反省の気持ちといったことが、解決に影響したと思われます。弁護士が不起訴処分に持っていくには、限られた時間の中で、解決に向けた弁護活動をすることが必要です。この1年受任した刑事事件はすべて刑事裁判にならず不起訴処分になりましたが、被疑者のために間髪を置かずに動く、という私自身の意識付けが多少でも影響を与えてると思います弁護人の接見のれが時間の経過とともに不安を増長させていくことになります。これは実際にそのような経験をされた方であれば誰しも感じるところです。

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